2007年11月6日火曜日

からまつのはやし


 白骨温泉から十石山に登る道の最初のところは、きれいなカラマツの林を通る。ちょうど黄葉の盛りで、あたたかい茶色に色づいた葉が、風もないのにちらちらと降り、粉雪の降るようすを思い出させる。散り敷いた葉は、登山道をふんわりと覆い、その感触は足にやさしい。林床にたまった葉は、やわらかく光を反射し、晩秋の心細い日の光を残さず使って、林の中を明るくしてくれる。山頂から眺めた穂高は、まだわずかに白いだけだったが、風の冷たさは晩秋という季節を思い出させてくれた。