2009年4月19日日曜日

千畳敷とその周辺

中央アルプスの千畳敷周辺は、バスとロープウェイで標高2600mのカール地形のまっただ中に入ってしまうと言う、お得なエリアである。立山の山崎カールの入り口がちょうどそれぐらいの標高なので、下界からロープウェイで山崎カールに立ってしまう、みたいなものかな。今回は取材をかねてということで、撮影陣やらライダーやら僕らみたいに賑わかし係やらで総勢7名となった。また、天気がすばらしかった。ちょうど土日だけ無風快晴。標高のせいか気温は高からず低からずで、雪も絶妙の滑り頃。前述のようにアプローチの良い場所(しかも通年営業)なんだけど、地形がやや急峻なせいか、それほどバックカントリースキーヤーは多くないように思う。ホテル千畳敷としてもこの節はその辺をアピールしたいようで、ホームページにもロープトウを使った「スキー場」以外に、ルンゼ滑りのコース図なども載せておられる。今回は撮影メインということで近いところを繰り返し滑ったが、その良さを再認識した(20年近く前にGWに日帰りした以来だったので)。図は伊那前岳(2万5千図の「伊那前岳」の西の2911mを地元では伊那前岳と呼ぶらしい)の北斜面を駒飼ノ池まで一筆書きでおりたもの。たいへんダイナミックである。
また伊那前岳に登り返して、今度はスタンダードに南斜面を千畳敷めがけて滑る。日は西に傾いて、山々の山腹に落ちる影が美しい。撮影の都合で2回に分けて滑ったので、斜面の途中で待っているちんふる氏(上図)。写真でもわかるように30度以上の斜面なのでその場にいる身としてはかなり急斜面。ま、その結果このような動画になるのだから、がまんのし甲斐はありました。ちんふる&シェム組の太板高速大半径滑りは迫力あります。絵になる。
滑り終えてホテル近くに戻って振り返った伊那前岳が左図。ほとんど僕たちのグループのシュプールだと思います。良く遊ばせてもらいました。翌朝は極楽平に登って、伊奈川源流部(いわゆる西千畳敷)を楽しんだ。スピードパラも登場して、山ふところに抱かれて、したい遊びをしつくしたという感じでした。Powder Guideさま、お世話になりました。(09.5.14記入)

2009年4月13日月曜日

八方尾根BC

 下界では初夏と言ってもいいような気温になってきた。八方尾根周辺のスキーツアーは経験がないので、ゲレンデスキー納めを兼ねて行ってみた。まず、ラッピーに寄って山の様子を聞く。いつ来てもお客さんでにぎわっている。BlackDiamondの手袋が異常なほど多種類あってバーゲン中。こんなにあると、それぞれ何に使ったらいいのか分からないぐらい。八方尾根スキー場は、ゴンドラ駅から一本くだるぐらいまでしか滑れなかったが、モーグラーでにぎやかだった。名木山下の万国屋は夜だけ飲み屋になってると聞いたので、夕方、ビールを飲みに行ってみた。八方のスクールのテレマーク愛好家の皆さんに針ノ木に行った話を聞きながら気持ちよい時間を過ごす。
 翌日は少し曇りがちだがまずまず。南面は早い内にとのことで、朝一は八方沢(2万5千図の地名による八方沢)の出だしを少し滑ってみるが、もう重くなっていて早々にきりあげて登り返し。しかし広大な沢というか広場のようなところだ。登り続けて2430mぐらいの丸山ケルンまで行って終了。不帰あたりが迫力ある姿を見せている。ポピュラーな2361mピークから滑り出して、無名沢(別名、八方沢 ややこしい)を下る(上図)。
 途中からは重い雪をかきわける感じとなり、テレマくり。左岸のガケを見ながら滑っていく(左図)が、右岸も尾根のところで雪が切れており、なかなか上がりやすそうなところがない。1750mぐらいの小さい谷状のところがきれいにつながっていたので、ここで尾根上に出て登り返し。この八方池の北の一帯も、まわりと違ってゆるやかな地形だ。天狗沢の全体がきれいに観察できる。展望台としてもたいへんよろしい。
 八方尾根は全般に樹林がとぼしく、雪面が気象の影響をまともに受けるので、コンディション次第で安全度の変化が激しいところだと思った。ゴンドラの機動力を活かして、良い雪をタイムリーに攻めるのに適しているのだろう。