2009年10月19日月曜日

越前の山

 10月の連休ともなると3000m級の山は紅葉も終わり、雪の心配も出てくるので、少し標高を下げて、今まであまり行ったことのない福井県の山を目指した。百名山達成を目指しているわけではないが、荒島岳は一度登っておこう(スキーの偵察もかねて)と思っていたが、現地入手の勝山市のパンフレットで、大長(おおちょう)山・赤兎山も良さそうだと思い、まずはこちらから。登山口へは林道(8割ぐらい未舗装)を30分ぐらい走る。整備協力金一人300円。登山口の駐車場は良く整備され数十台楽に駐められる。小原峠への道は、越前から白山を目指した禅定道の一部。大長山への稜線は結構長い。最初峠のあたりから見た白山は少し白かったが山頂から見たときには既に雪は融け雲がかかっていた。山頂付近、ぬかるみ多し。帰ってから知ったが大長山は2004年に関西学院大ワンゲルが大雪で動けなくなったところだった。
 小原峠に戻って、今度は赤兎山を目指す。登山者数は、大長よりずっと多い。山頂からふたたび白山を眺める。大長も結構かっこいい。山頂から避難小屋方面に少し下ると視界が開けて、草原の山という趣き。赤い避難小屋がきれいだ。下山してから、福井県立恐竜博物館に行ってみた。複製品も含めて世界各地から多量の恐竜化石を集めて、迫力の展示だった。学術的にも高いレベルを保っており、特別展の「恐竜は花を見たか」は見応えがあった。
 翌日は荒島岳。越前大野の宿を出て、勝原(かどはら)スキー場の登山口に向かう。コンビニは市内しかないので、行動食の購入はお早めに。7時頃に既に30台ぐらい車があり、人気のほどがうかがえる。スキー場の登りは石ころごろごろのススキの道だが、それをすぎるとブナがならぶ良い雰囲気の道になる。が、傾斜はきつい。ガンガン登る。ここが一番人気ルートなので、道の傷みもめだつ。主稜線のシャクナゲ平以降はすべての登山道が合わさるのと、一番急傾斜な場所になるので、かなり悲惨な状況。帰りには人もぐんと増えて、上り下り別のルートがほしいぐらいだった。
 急傾斜を終えて、そろそろ山頂が近いか、と思ってからがなかなか長い。たどり着いた山頂は360度の展望台。写真は大野の街だ。登りの途中ですれ違った人に槍が見えているよと教えられて双眼鏡で確認できたが、山頂に着いたときにはもう雲の中だった。槍から穂高を真横から見るので意外に長く横たわっていた。大野市と勝山市は隣同士ながら、かなり違ったキャラクタの街だ。古い城下町の風情を残し、昔からの商店街が元気な大野。どこが街の中心かよく分からないが、恐竜博物館、越前大仏など巨大ハコモノを誇る勝山。昔の徒歩圏社会と現代クルマ社会との対比のようにも見える。

Camera: Sigma DP2

2009年10月7日水曜日

開田高原からの御嶽

 開田高原からの御嶽登山道は長いことで有名なので、小屋泊まりでと思っていたが、紅葉の季節でもあり週末は混みそうなので日帰りでトライ。上天気さんでおにぎりを作っておいてもらい、静かなホールで朝食を済ませる。車で登山口に向かい、6時に歩き始める。まだ薄暗い。よく駐車場として使われる小広場の入口に溝が掘ってあって車で入れないので、営林署の小屋前の小スペース(5,6台置けるぐらい)に置かせてもらう。鬱蒼とした針葉樹林の中の苔むした道は静まりかえり、まじめに熊鈴をならしながら、ややこわごわ登る。あちこちに木道というかハシゴが置いてあり、この木が良く滑る。しばらくして細い尾根に上がる。しかしこの森の深さはすごい。貴重な自然だ。
 7合目の崩壊した避難小屋に着いてもまだ森の中。標高差でやっと半分を過ぎたぐらいだ。途中、合目表示があるが、6合目までが異常に長いのであせらないこと。黄色く色づいたダケカバ帯を抜けてハイマツ帯に出ると、漸くあたりの展望が良くなる。ナナカマドの紅葉も美しい。9合目あたりで稜線が近く見え始めるが、これもなかなか近づかない。最後に大きく左にトラバースして三の池のほとりに出た。ここが開田道の「頂上」だがせっかくなのでもう少し登る。
 池を反時計回りして五の池小屋に行き、前回気に入った濃いコーヒーをいただく。開田道は貸し切りだったが、ここまで来ると結構な賑わい。今回は上り下りが長いので、まっすぐ帰る。三の池越しに見る中央・南アルプスがきれいだ。富士山ものぞいていた。稜線に出るまでは暑いぐらいだったが、北風が強く山頂部はかなり寒い。風のないときは鏡のような三の池も、波立っている。
 下りになると、もやも晴れて、景色がすっきりと眺められ、紅葉の色も引き立ってくる。写真の左手のダケカバの多い谷を登山道が通っている。写真の左上の森の一部に畝状にもりあがっているところが、登山道のある細い尾根だ。その先の尾根の末端を降りたところが登山口。遠い。中央の少し右の裸地がロープウェイスキー場、その上の尾根上の建物がロープウェイ終点だ。登りでは暗い印象だった下部の針葉樹林も、陽がさして風が通るとなかなか気持ちが良い。細い尾根の上はなかなか快適だった。木道が滑るのは下りの方がこわかった。2時過ぎに登山口帰着。結果的には濁河のときと同じ時間割だった。

Camera: Panasonic DMC-FX01 (3:4) and Sigma DP2 (2:3)