正月は大阪のホテルにいたんですが、正月で店が開いてなくても面白いこと、というと散歩とか神さん参りになるわけで、ぶらぶら市内を歩いてみました。元旦は天満天神で初詣をしてから、中之島から三休橋筋という船場の真ん中を南下する通りを歩いてみました。これは西洋建築がいくつもあるので有名らしく、元旦の新聞にも紹介されていたので、良かったのですが、まあ、思った通り。で、二日はまったく行き当たりばったりだったんですが、意外におもしろい
収穫がありました。
ホテルから大阪城を横切って、NHKから左の写真の地図の中央大通と「熊野街道」の交差するところから南下しました。実はこの道が熊野街道とは知らなかったので、途中の道標でそれを知ってまずびっくり。なんでここを選んだかというと、前述の交差点あたりにGoogle mapでは農人町と書いてあって、農人橋といえば、「饅頭こわい」の前半の身投げ話に出て来る地名なのでちょっと惹かれたわけです。それと並んで「お祓い筋」という地名も落語に出て来るのですがこの熊野街道がまさにそのお祓い筋だと知って、うーむこれは面白いところに来た。
で、そのまま南下していくと(上の地図はあとで高津神社の茶店で見たのでそのときは熊野街道の経路を知らなかったので)長堀通との交差点手前には左の写真の榎木大明神。ここはたたりがあるので道路が拡幅できなかったとか。
これを過ぎたあたりで妙に古い家が並び出します。左の写真のあたりですが、大阪のど真ん中にこんなウダツのあがった商家が残ってるなんて。しかも裏通りにはぎっちりと長屋が並んでいます。まるでタイムスリップをしたような、と思っていると通りかかったのが「空堀商店街」。ここはプリンセス・トヨトミという映画の舞台にもなったところで、行ってみたいと思っていたらたまたま通りかかってしまいました。
左の写真のように商店街自体が坂になっている上に、左右はどちらも低くなっていて、長い尾根上にある商店街という変な地形です。このあたりは大阪市内では唯一空襲で焼けなかったところと後で知って、ナルホドと思いました。
その後は、高津神社。これはもう上方落語によく出て来る名所。「崇徳院」の出だしで若旦那が美人と会うところが、左の写真の絵馬堂の茶店だったり、境内にある高倉稲荷は、「稲荷車」に出て来る。
その南の大阪で一番古いという生国魂神社には上方落語発祥の地の碑もありました。雨がポツポツしたのでここで終わりにしましたが、熊野街道の出だしの八軒家から始めて、さらに南下して四天王寺まで行けば充実の落語散歩になりそうです。