これは翌日に蓮華温泉の近くで撮ったものだが、よく見ると何ヶ所かに「雄花盤」が見える(真ん中は黒くないが)。精子が雨水を伝って雌株に行って受精すると、そこから細い柄が伸びて先端に胞子嚢(コケでは朔(さく)という)ができる(写真左)。柄や朔の形が種に独特で見分けるポイントになる。雄株、雌株は1倍体(n)で、柄と朔は2倍体(2n)、減数分裂してできる胞子は1倍体で、発芽すると原糸体を経て雄株、雌株となる。これも上のと近い種らしい。
職場の駐車場からの道端の木についていたのが左のサヤゴケ。大雨の直後なので朔の中にも水が入っているように見える。ほとんど胞子が飛び出した後らしく、底に少し緑色に見えるのが残った胞子か。
乾いてから撮るとこのように反り返って口を大きく開いていた。朔の先端のオレンジ色のところは朔歯(さくし)と呼ばれるギザギザの突起の列になっていて、朔歯の形態も観察のポイント。
横からダンゴムシがのそのそやって来た。これぐらいの小さなスケールの世界。
買った本:ときめくコケ図鑑:「ことりっぷ」調の可愛い本ですが、しっかり書いてあるし、写真はキノコで有名な伊沢正名さん撮影できれい。学名にふりがながついているのは良い。