三河の山中には、古い来歴を持つ寺が点在している。石の使い方に、それぞれ趣きがあるように思う。
岡崎市街の東方、くらがり渓谷に向かう途中にある天恩寺は、足利尊氏の遺言により足利義満が建てたとされる。本堂の下はまるで城の石垣のよう。中世には戦略拠点となったのだろうか。「三河のマチュピチュ」という人も。
平たい岩を様々に組み合わせ、補修して来た歴史が積み重なっている。
天恩寺本堂の軒下の、平たい小石を埋め込んだ雨だれ受け。
天恩寺の少し手前、岡崎東ICの近くにある定林禅寺。平たい石をモザイク状に敷き詰めた通路。通りかかったまだお若いご住職に伺ったところでは、檀家から石を何枚かずつご寄進いただいて作庭したとのこと。10年ほど前から住職をされているそうだが、参禅の会なども催して、寺を盛り立てておられる様子。
奥の庭に向かう小路は、平たい石を縦に並べてある。コントラストが面白い。
山を南に越えた豊川市側の山ふところには、724年に行基菩薩が開き、813年に弘法大師が中興したといわれる財賀寺がある。今は車でも奥の方まで登れるが、仁王門から延々と続く石段の参道を登ったほうが山岳宗教らしい雰囲気をじっくり味わえる。石段自体はコンクリートで固められてしまっているが、両脇の木々が良い雰囲気を出している。(これ以降はNEEWER 35/1.7で撮影)
石段を登るとこのような参道が、時代を越えた雰囲気を漂わせている。
ここのおみくじは小さなダルマの中に仕込んで売っているのが面白いが、それが点々と参道脇に飾られている。
参道をすぎるとさらに石段が続く。脇には不動明王が並んでいる。
石段を登りつめると本堂があり、千手観音を祀っている。ま
3月末の日曜は、智慧文殊まつりという大祭の日。本堂では大筆書き大会が行われていた。