2018年3月22日木曜日

中華レンズNEEWER

webで韓国製ヨンヌオレンズというのを見かけたのをきっかけに、いろいろ検索して知った中国のNEEWERレンズを買ってみた(ニューワーと読むそうだ。紐爾?)。マニュアルフォーカスの35mm F1.7 E-マウント。一見、クラシックなフィルム一眼レフ用交換レンズ風だが、35mmフルサイズはカバーしておらず、APS-Cサイズ用。お値段はamazonでなんと8,599円。

Neewer 35mm F1.7 + NEX-5N
 届いたレンズは、しっかりした作りでガタツキなどは皆無。距離目盛りのデザインやピントリング、絞り環のようすなど、Takumar時代のペンタックス交換レンズにそっくりだ。レンズキャップが金属製カブセ式なところや、フィルター径が49 mmなところも。オールドレンズと違ってアダプターなしでNEXに付くのですっきりしている。Multi Coatedのレンズを覗き込むと透明感があり美しい。


Super-Takumar 55mm F1.8 
ヘリコイドが止まるところが無限遠ではなく、いわゆる「オーバーインフ」だから、遠景も像を見てフォーカシングしないといけない。目盛りも正直にそのような表示になっている。ヘリコイドの重さは適切かつスムーズ。絞り環にはクリックストップがないが、重めに調整されているので勝手に回ることも少ないだろう。均等絞りではないので、まさにオールドレンズの雰囲気。絞り羽根は9枚で、F22までほぼ円形。
考えてみると、フィルム一眼レフ時代にクイックリターンミラーに合わせて、いつでも明るいファインダー像が見えるようにするためには、すばやく絞りを動かす工夫が必要だったのが、ミラーレスでは全部要らなくなって、古式に戻った訳だ。

眺めていて、もう一つ昔のレンズと違うところに気がついた。シリアルナンバーがない。きっちりした製品管理を省いてこの価格になっているのだから当たり前か。
APS-Cに35mmレンズだと、ちょうど35mmフルサイズの50mmレンズに近い画角になる。撮影していると、フィルム時代に戻ったような錯覚を覚えた。楽しめるレンズだ。

NEX-5Nに付けて、夜景で テスト。片ボケもなく、まずまずの描写。
 周辺部は収差のある様子。
強い光源の周辺にはハローを生ずる傾向。

入笠山にて。緑色のスジはサルオガセという地衣類。繊細な描写。
八ヶ岳を一望。山頂部は実際にもコントラストが強かったが、それを良く再現している。
入笠山山頂にあった石碑。テクスチャがよく出ている。
枯れ枝にからむサルオガセ。背景の雲のボケがなめらか。
クラシックな消火栓。立体感のある描写。あまり欠点が見当たらない。それだけ「枯れた」技術だということか。「枯れた技術を製品化してごく安価で販売する」という、当たり前だが世の中になかなかないことを実現してくれてありがたい。