年末年始を過ごす裏磐梯へ向かう途中でどこかで観光をしようと、今まであまりなじみのない栃木県に途中下車してみた。県名と県庁所在都市名が違う県はちょくちょくあるが、県名と同じ名前の市が古くからあるのに、違う名前の市が県庁所在地になっているのはそう多くないのでは?栃木県と栃木市、宇都宮市はこの例だ。栃木市に県庁がない経緯はこの看板に(恨みたっぷりに)説明されている。ここで恨まれているように、二つの街の現状はかなり開きができているが、おかげで、栃木には巴波川(うずまがわ)の水運の集散地らしい運河と蔵の町並みが保存されている。この背景の建物は旧県庁(現在も栃木市役所別館として使われている)だが、緑色の木組みが美しい。
市内中心街にも、蔵見世と呼ばれるしっかりした蔵造りの商店が軒を並べている。大きく重そうな屋根が目立つ。他に栃木高校の記念図書館や、栃木病院などを回って見たが、市役所別館と同様に木組みが美しい。また、いずれも現役で使われているところが面白い。
老舗の和菓子屋「山本總本店」に飾られていたお正月らしい「めでたい箱」がきれいだ。道ばたで売っていたしめ縄にも鯛の飾りがあしらわれていた。鯛好きなお土地柄か。名物礦泉煎餅をお土産に購入。晴れているが寒いので早々に宇都宮に移動。
栃木に比べると宇都宮は「ふつうの」都会っぽく見えるが、メインストリートに面してこのように立派な二荒山(ふたあらさん)神社があるのが目を引く。日光の入り口としての歴史を示している。ギョーザの街としても有名だが、岡崎と同じくジャズの街でもあるそうだ。(2012.2に後記)