そろそろ雪以外の山も行ってみようかと、鈴鹿の鎌ヶ岳を歩いてみた。湯の山や武平峠からは何度も登ったことがあるが、鎌尾根は歩いたことがなかったので、スタンダードな宮妻峡からの周回コースを歩いてみた。宮妻峡への道は茶畑の中を通る。黒い紗で覆った「かぶせ茶」の畑も多く見られた。キャンプ場の駐車場にとめて歩き出す。水沢峠への道は先日の水害のせいか、谷筋は部分的に危なっかしいところもあった。宮越山を過ぎたあたりの稜線は、図のような「キノコ岩」がおもしろい。でもこのあたりはかなり滑りやすく要注意。
咲き始めのシャクナゲが美しい。ちょっと絵はがきっぽいが、遠景に鎌ヶ岳をとりこんだ構図にしてみる。白いゴヨウツツジも咲き始めており、下を向いた開きかけの花や、つぼみのカーブした形が面白いパターンを見せている。鎌尾根は、アップダウンも多く、鎖場などおおっと思うところもあちこちある。宮妻峡と鎌ヶ岳の標高差は800mぐらいだが、GPSの記録ではトータルの登った標高差は1000m以上になっていた。かなりハイグレードハイキングだ。
稜線のあちこちに咲き始めたリンドウやスミレを見ながら尾根を辿り、鎌ヶ岳直前の鞍部に着くが、ここから山頂まで最後の急登がある。登り着いた山頂から眺める御在所岳は、真っ平らな山頂部が面白い。双眼鏡で鈴鹿スカイラインを見ると、あちこち土砂がたまったままだ。昨秋の水害の被害がまだ復旧されないまま通行止めが続いている。地形図を見直すと、鎌ヶ岳山頂から北と南でずいぶん等高線の間隔が違う。やはり「鎌」らしいけわしさを味わうには南から、ということのようだ。谷筋をガンガン下って宮妻峡に戻る道は、かなり膝に来た。いつも思うが、やっぱりスキーツアーの方がずっと体にやさしい。