2011年8月26日金曜日

リンプン

 チョウやガのハネの表面は鱗粉(りんぷん)という「粉」で覆われていて、つまむと指先にべっとりと着いたりあたりに飛び散ったりして、これのせいでチョウやガがきらいという人も多いでしょう。写真はその鱗粉の一枚を拡大したところ。走査型電子顕微鏡という機械を使って撮影したものです(倍率は1190倍、右下の点線の全長(1の上からuの上まで)が25.2μm、つまり約40分の1ミリ)。モンシロチョウのハネの表面を粘着テープでチョンチョンとなぜて、あらかたの鱗粉を取り除いて一枚だけ残ったところです(別に狙ってしたわけではありません、偶然の産物です)。この鱗粉は元々一個の細胞が平たくなったもの。左下に鱗粉が刺さっている「ソケット」と呼ばれる構造も見えますが、これも一個の細胞が変形したもの。鱗粉の表面はこのように非常に細かい凹凸になっているので、光を反射しないとか、水をはじくといった性質を持っています。