ちょっと時間と天気が中途半端だったので、もう雪の消えた上高地を散歩してみた。釜トンネル入り口からのトンネル歩きがスタートだ。一般車は通れないがときどき関係者の車が通り過ぎる中を延々と歩く。昔の岩壁がゴツゴツした真っ暗なトンネルほどではないが、ところどころに薄暗い照明のともった人気のないトンネルを歩くのはあまり気味のいいものではない。やっとの思いで外に出ても曇りがちで寒い。しかし、しだいしだいに晴れ間が多くなり、白い頂上も見え始めてくると気分も変わる。大正池、帝国ホテルと経て、1時間半ほどで到着した河童橋からは、図のような立体感ある焼岳や雪崩の跡だらけの岳沢の迫力ある姿が眺められる。本当に静かだ。いつもはバスやタクシーに乗って、ときどきすれ違いのために待たされたりしながら、あまり感慨もなく通り過ぎるところだが、思いがけず、楽しく歩くことができた。