2007年6月7日木曜日

山小屋の本棚から


先日お世話になった剱御前小屋の本棚で見つけた本。小屋での暇つぶしの第一のチョイスは、岳人やヤマケイのバックナンバーだ。場所が場所だけに臨場感がある。次の計画が浮かぶことも多い。それに飽きると、小説に手が伸びる。しかし、読んでみようという気になる本は少ない。この本は、ニューメキシコのスペイン系のカルチャーがどういうものかを教えてくれる。カトリックの信仰、「魔女」と人からおそれられる祖母との心の交流、生と死、ヤノと呼ばれる平原の四季、などなど。本屋に並んでいてもたぶん通り過ぎてしまうだろうが、ご縁があったのか出だしを読んで気に入り、帰ってからwebで注文して続きを読んだ。今回は新刊でまだ売っていたが、絶版になっていても何とか見つかってしまうところが、現代web文明のありがたいところだ。始めて訪れたアメリカの街が、ニューメキシコ州のアルバカーキだったので、なんだかなつかしさも感じた。
「ウルティマ、ぼくに大地の教えを」ルドルフォ・アナヤ著 金原瑞人訳 草思社刊