2008年4月7日月曜日

乗鞍、そして平湯へ

3月初めに訪れた位ヶ原山荘にぜひまたもう一度と思い、ムースツアーに合わせて出かけた。休暇村リフトが一本だけ動くという非常に中途半端な状態なので、登る人も少なめで山荘も空いていて快適だった。ゲレンデトップからツアーコースを辿ると、山頂付近は雪煙があがっていて、風の強さを思わせる。勝手知ったる道のりを、切り開き、位ヶ原、シュカブラ帯とたどる。位ヶ原から風が強まり、手が冷たい。肩の小屋の手前でスキーアイゼンを装着し、シュカブラの海をジグザグとこなして山頂をめざした。稜線に出ると(写真)一段と強い風が吹き、あげた右スキーをおろすときにあおられて、つい左スキーを踏んでしまうぐらいだ。だが山頂近くはかえって風がおさまり、山頂までスキーアイゼンのまま登ることができた。山頂直下のルンゼはエッジのかかるほどほどの堅さで気持ちよく滑れた。昔はもっと急だと思ったものだが。小屋ではムースツアーのお客さんたちや、ガイドとして来た古い仲間と楽しく過ごす。

翌日も晴天。しかも風も弱そう。平湯まで長距離をこなす絶好のチャンスだ。まず大黒岳を目指して谷筋を登り、山頂の絶景を楽しんでから、真っ平らな桔梗ヶ原(実はシュカブラの海)を北上し、四ッ岳を目指す。平湯からだと1450mの登りだが南側はわずか200mで山頂だ。意外にのんびりした山頂で何一つ遮るもののない眺めを楽しむ。下りは、真北の窪地から左に出てオープンバーン(写真)から浅いルンゼに入るスタンダードなコース取り。ダケカバ帯にさしかかる頃からウインドパックの若干ターンしにくい雪になる。樹林帯のやや重いパウダーを滑り、斜度が落ちるころにはかなり腐った雪となる。先週予習した徒渉地点をわたり、最後の谷筋の急斜面を滑るころには疲れと雪の重さで斜滑降キックターンとなったが、1時には平湯キャンプ場に降り立つことができた。位ヶ原山荘の積雪期営業を活かしたダイナミックで比較的楽なプランだ。天候が悪くなれば四ッ岳から乗鞍に引き返すのも可能だ。こういうのいかがですか。