2006年11月22日水曜日

「登高記」


山と渓谷の創刊号の「新刊批評」に出ていた本だ。創刊号が50年後に復刻されたものを、出て26年後に買って、それに紹介されている本をインターネットで検索して買うーー考えてみると不思議なことをしている。書評に「熊ノ湯周辺の登山が詳しく紹介されている」とあったので、興味を持ったが、中味はかなり日記っぽいというか、ブログっぽい。臨場感あるといえば良いが、ダラダラ書いてあるともいえる。批評を見返してみると確かに「大変読みやすく、著者となんの隔てもなく駄べり合っている様で、かえってこうした山の本にふさわしい」と書いてある。立山や針ノ木など良く行くエリアの記録も紹介されている。今、検索してみると、1980年に同じ著者で「山へ-わが登高記」というのが出ているが、こっちも50年後に振り返っているわけで、ヤマケイと符合していて面白い。
ヤマケイ創刊号の新刊批評にはこれ一冊しか取り上げられておらず、最後に「小笠原勇八氏が批判する予定でしたが、同氏が上越国境方面へ登山したため締切迄間に合ひませんでしたから次号へ廻します。」という言い訳が書いてあった。同人誌っぽくておかしい。
吉澤一郎 著 古今書院