2007年10月3日水曜日

熊野の岩いろいろ

 紀伊半島の南端に近づくにつれて、ゴツゴツとした岩がめだつようになる。鬼ヶ城などという怖い名前のや、花の窟なんて優しい名前のもある。写真の橋杭岩は堅い岩の地層が海に突き出し、そこだけ浸食を免れて列を作った物だ。司馬遼太郎さんは、こういった山からはみ出したような岩々のことを「地の骨」と表現しているが、まさにぴったり。もうひとつの虫喰岩は、名前のように浸食によって穴だらけになった岩だ。こうやって写真にすると、アントニオ・ガウディの建築の一部分のように見えてくる。「街道をゆく 第8巻」に出てくる古座街道の近くにある奇観だ。