2010年8月25日水曜日

トランス御嶽 =行って帰って=

 週末一泊二日でちょっと手応えのある山歩きがしたいといろいろ考えたが、北アルプスでは二泊しないと中途半端。御嶽で、スキーを使って登ったのと反対側に降りて、できれば次の日に引き返してくるというプランを前から考えていたので、夏山で予行演習をしてみることにした。登山口は、車で標高を稼げる王滝口の田の原とし、剣が峰を経由して濁河温泉へ。登り標高差800m、下り1200mだからそれほどではない。行った道を戻ってくるというところに、何かむなしさを感じないかなと少し心配だったが、手応え充分。溶岩の王滝口と、樹林の濁河口の対比も面白く、御嶽山が立体的に感じられるようになった。
 王滝口は、以前はスキーでの御嶽登山のメインルートで、スキー場トップから田の原に滑り込んで、よく登ったものだが、このところは黒沢口のロープウェイからがメイン。また、田の原からの夏山登山は考えてみると今回が初めてだった。好天に恵まれてずっと背中に日差しをあびながら、動き慣れない体で大汗をかきながら登った。剣が峰が過ぎると人は激減。ひょっとしてロープウェイがやっていないのかと双眼鏡でチェックしたが、ちゃんと動いているものの駐車場はガラガラ。車のままあがれる王滝口が、やはり圧倒的に人気なのだ。賽の河原、摩利支天と経て、五の池小屋に到着。この朝、NHKのテレビ生中継をここからしたそうで、小屋番さんは肩の荷をおろした感じで昼ビールを楽しんでいた。
 まだ昼前だったが濁河温泉に向けて降り始める。立ち止まっている人がいるので聞いてみると、オコジョがいるらしい。溶岩の隙間を素早く出たり入ったり。好奇心とこわいのの葛藤的動作(動画)。ずいぶん細長い。長い長い樹林の中の道を、次の日に影響が残らないようにゆっくりと下った。濁河温泉はもちろん車でも行けるが、山から下りてくるのが一番雰囲気があると思った。車が無くてただひたすらのんびりと湯治するしかない午後というのは、たいへんぜいたくで良かった。宿は去年と同じ、濁河温泉ロッジ。今回は高校陸上部の合宿中だった。
 翌朝は6時に登り始め。昨日の登りと対照的に静かで涼しい。五の池小屋にまた立ち寄ってコーヒーをもらう。いつもきれいに片付いた小屋だ。今は増築工事中。今度は開田道から登って一泊したい。摩利支天はパスして、そのかわり一の池を回ることにする。一の池の茫々とした眺めや、継母岳方面の美しいスロープ、地獄谷のすごさなど、いろいろ味わい深いコースだ。剣が峰からは20倍ぐらいに増えた登山者をかき分けて降りる。田の原には観光バスがたくさん来ていた。jotenkiさん推薦の王滝食堂で、ノンアルコールビールとイノブタ焼肉定食。脂身がうまい。
 写真はまとめてこちら
(追記:2010-11スキーシーズンは、御岳ロープウェイスキー場営業せずとのこと。日当たりと風当たりのバランスのせいか、妙に硬いバーンの多いスキー場なので、BCのアプローチにしか使わなかったが残念。おんたけ2240がリバイバルか。)