スキーで横を通り過ぎたことはあったがまだ泊まったことのない白馬鑓温泉小屋が第一の目的地。猿倉から小日向のコルに向かう道は、雪の季節には見通しがよく地形がよく分かるのだが、夏山は全然見通しがきかないなと改めて思った。コルからは遙かに小屋が見えるが、延々と斜面をトラバースしていくので結構時間がかかる。杓子沢を横切るところはかなり急斜面。温泉沢の横を登りだすとお花畑がまだまだ盛りの姿を見せてくれる。クルマユリが見事だった。温泉はちょっと熱いが開放感満点。小屋も夏以外は片付けてしまうバラックだがそれゆえにさっぱりとした感じで気持ちいい。小屋の本棚で鉄腕バーディーYS版1-5巻を見つけて楽しく読む。小屋のすぐ裏に源泉があり、岩の隙間から滔々と湯が湧き出しているようすがよくわかる(動画)。
翌朝も良い天気だったが、稜線に登り着く前にガスが湧いてくる。おかげであまり暑くない。今日のハイライトは天狗の大下りと不帰の険。写真は不帰二峰から振り返ったところだ。真ん中の小ピークが不帰一峰で奥が天狗の大下り。二峰の登りは遠目にはすごいが、近づいてみるとうまい具合に巻道になっている。時々しか人と会わない稜線を辿って唐松岳に着くと、人がウジャウジャ。唐松小屋泊まりの予定だったがまだ昼過ぎなので五竜山荘まで足をのばすことにした。結局布団一枚に二人弱だったので混み具合はどちらの小屋も一緒だったかもしれない。
人いきれで暑く、夜中に外に出てみるときれいな月夜だった。朝も快晴は続き、五竜山頂はすばらしい眺め。唐松はここより低いので来た甲斐があった。春に遊んだ立山・剱がすぐそこ。立山はカールが並んでちょっと薬師っぽい。三の窓のまっすぐな谷がきれい。右の方には苦労して登った大窓も見える。
振り返ると安曇野の雲海の向こうに、来週行く予定の火打や焼山が浮かんでいる。今回はNEX-5にColor-Skopar 28mm f3.5を付けて来たが、光の具合によって両サイドが赤っぽく着色する現象が見られたのがちょっと残念。液晶画面とシャッター音はいいんだけど。帰りは遠見尾根をおりる。じっくり降りるつもりだったが、団体を追い抜くとそのはずみでつい駆け下ってしまう。中遠見の登り返しがきつかった。アルプス平あたりではパラグライダーが沢山飛んでいる。猿倉までタクシー約5000円也。(9/7掲載)